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2026年の干支は丙午(ひのえうま)
十干十二支の意味・一覧・完全ガイド

2026年は60年ぶりの「丙午(ひのえうま)」。十干十二支の読み方・意味・早見表から、うま年生まれの特徴、「正午」「還暦」など干支が生んだ日本語まで、暦好きライターが丁寧に解説します。

著者より: 毎年お正月になると「今年の干支は?」と聞かれますよね。でも「十干十二支って何が違うの?」「丙午ってなぜ特別なの?」という疑問、意外と答えられない方が多いんです。この記事では、干支の基礎から2026年の丙午まで、生活に役立つ知識をまとめました。


干支(えと)とは?十干十二支の基本

「干支(えと)」と聞くと、多くの方は子・丑・寅…の12の動物を思い浮かべるでしょう。でも実は、干支の本来の意味は「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」を組み合わせた60周期の数詞なんです。

起源は紀元前16世紀ごろの中国・殷(いん)王朝。もともとは日付を記録するための記号として生まれ、やがて年・月・時刻・方位まで表すようになりました。日本には604年(推古天皇12年)に百済から暦法とともに伝わったとされています。 (参考:Wikipedia「干支」)

ポイント:「えと」の語源

「えと」という読みは、十干の訓読みに由来します。甲=きの、乙=きの、丙=ひの、丁=ひの……のように、陽を「え(兄)」、陰を「と(弟)」と読むことから「えと」と呼ばれるようになりました。十二支の動物とは直接関係のない呼び名です。

十干(10種類)と十二支(12種類)を組み合わせると、最小公倍数の60通りの干支が生まれます。この60年サイクルが「還暦(かんれき)」の由来でもあります。


十干(じっかん)一覧と意味

十干は木・火・土・金・水の五行それぞれに「兄(え)」と「弟(と)」を配した10種類の記号です。訓読みを覚えると、干支の読み方がぐっとわかりやすくなります。

十干 一覧表
番号漢字音読み訓読み五行陰陽意味・象徴
1こうきのえ(木の兄)草木の芽生え、力強い成長
2おつきのと(木の弟)まだ伸びずかがまっている状態
3へいひのえ(火の兄)陽気の発揚、明るく輝く ← 2026年
4ていひのと(火の弟)陽気の充溢、内に秘めた熱
5つちのえ(土の兄)茂に通じ、分化繁栄
6つちのと(土の弟)紀に通じ、統制・整理
7こうかのえ(金の兄)結実・形成、陰化の段階
8しんかのと(金の弟)陰による統制の強化
9じんみずのえ(水の兄)妊に通じ、陽気を内に宿す
10みずのと(水の弟)清算と待機、新たな生長への準備

甲・乙・丙・丁は成績や順位の表記(甲乙つけがたい、丙種合格など)にも使われていますね。これも十干の名残です。


十二支(じゅうにし)一覧と意味

十二支は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の12種類。年だけでなく、時刻・方位・月にも対応しています。動物との組み合わせは後から付けられたもので、本来は植物の成長サイクルを表す記号でした。

十二支 一覧表
番号漢字訓読み(動物)時刻方位五行植物的な意味
1ね(鼠)23:00〜0:59新しい生命が種子の中に萌し始める
2うし(牛)1:00〜2:59北北東芽が種子の中に生じてまだ伸びられない
3とら(虎)3:00〜4:59東北東春が来て草木が生ずる
4う(兎)5:00〜6:59草木が地面を蔽うようになった
5たつ(龍)7:00〜8:59東南東草木の形が整った
6み(蛇)9:00〜10:59南南東草木の成長が極限に達した
7うま(馬)11:00〜12:59成長が極限を過ぎ、衰えの兆し ← 2026年
8ひつじ(羊)13:00〜14:59南南西植物が鬱蒼と茂って暗く覆う
9さる(猿)15:00〜16:59西南西果実が成熟して固まって行く
10とり(鶏)17:00〜18:59西果実が成熟の極限に達した
11いぬ(犬)19:00〜20:59西北西草木が枯れる
12い(猪)21:00〜22:59北北西草木の生命力が種の中に閉じ込められた
🐭 鼠
うし
🐮 牛
とら
🐯 虎
🐰 兎
たつ
🐲 龍
🐍 蛇
うま
🐴 馬
ひつじ
🐑 羊
さる
🐵 猿
とり
🐔 鶏
いぬ
🐶 犬
🐗 猪

十干十二支 60干支 完全早見表(1924〜2043年)

十干と十二支の組み合わせは全部で60通り。1924年(甲子)から2043年(癸亥)までの近現代の60干支を一覧にしました。生まれ年の干支をすぐに調べられます。

干支読み西暦干支読み西暦
甲子きのえね1924 / 1984甲午きのえうま1954 / 2014
乙丑きのとうし1925 / 1985乙未きのとひつじ1955 / 2015
丙寅ひのえとら1926 / 1986丙申ひのえさる1956 / 2016
丁卯ひのとう1927 / 1987丁酉ひのととり1957 / 2017
戊辰つちのえたつ1928 / 1988戊戌つちのえいぬ1958 / 2018
己巳つちのとみ1929 / 1989己亥つちのとい1959 / 2019
庚午かのえうま1930 / 1990庚子かのえね1960 / 2020
辛未かのとひつじ1931 / 1991辛丑かのとうし1961 / 2021
壬申みずのえさる1932 / 1992壬寅みずのえとら1962 / 2022
癸酉みずのととり1933 / 1993癸卯みずのとう1963 / 2023
甲戌きのえいぬ1934 / 1994甲辰きのえたつ1964 / 2024
乙亥きのとい1935 / 1995乙巳きのとみ1965 / 2025
丙午ひのえうま1936 / 1996丙午ひのえうま1966 / 2026
丁未ひのとひつじ1937 / 1997丁未ひのとひつじ1967 / 2027
戊申つちのえさる1938 / 1998戊申つちのえさる1968 / 2028
己酉つちのととり1939 / 1999己酉つちのととり1969 / 2029
庚戌かのえいぬ1940 / 2000庚戌かのえいぬ1970 / 2030
辛亥かのとい1941 / 2001辛亥かのとい1971 / 2031
壬子みずのえね1942 / 2002壬子みずのえね1972 / 2032
癸丑みずのとうし1943 / 2003癸丑みずのとうし1973 / 2033
甲寅きのえとら1944 / 2004甲寅きのえとら1974 / 2034
乙卯きのとう1945 / 2005乙卯きのとう1975 / 2035
丙辰ひのえたつ1946 / 2006丙辰ひのえたつ1976 / 2036
丁巳ひのとみ1947 / 2007丁巳ひのとみ1977 / 2037
戊午つちのえうま1948 / 2008戊午つちのえうま1978 / 2038
己未つちのとひつじ1949 / 2009己未つちのとひつじ1979 / 2039
庚申かのえさる1950 / 2010庚申かのえさる1980 / 2040
辛酉かのととり1951 / 2011辛酉かのととり1981 / 2041
壬戌みずのえいぬ1952 / 2012壬戌みずのえいぬ1982 / 2042
癸亥みずのとい1953 / 2013癸亥みずのとい1983 / 2043

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2026年の干支:丙午(ひのえうま)

丙午
ひのえうま
2026年(令和8年)の干支 / 60干支の第43番目

2026年の干支は丙午(ひのえうま)。十干の「丙(ひのえ)」と十二支の「午(うま)」の組み合わせで、60干支の中で第43番目にあたります。前回の丙午は1966年(昭和41年)、次回は2086年です。

丙午の基本データ
十干丙(ひのえ)― 火の兄、陽
十二支午(うま)― 火の陽
五行火(丙も午もともに火の性質)
干支番号60干支の第43番目
前回の丙午1966年(昭和41年)
次回の丙午2086年
令和換算令和8年

丙も午もともに「火」の性質を持つため、陰陽五行説では「火の気が二重に重なる年」とされます。エネルギーが強く、変化や革新が起きやすい年とも言われています。

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うま年生まれの特徴と西暦一覧

十二支の「午(うま)」は南の方位・火の五行・陽の性質を持ちます。馬のイメージ通り、活発でエネルギッシュな性格が特徴とされています。

うま年(午年)生まれ 西暦一覧
西暦和暦干支(十干十二支)2026年時点の年齢
1930年昭和5年庚午(かのえうま)96歳
1942年昭和17年壬午(みずのえうま)84歳
1954年昭和29年甲午(きのえうま)72歳
1966年昭和41年丙午(ひのえうま)60歳(還暦)
1978年昭和53年戊午(つちのえうま)48歳
1990年平成2年庚午(かのえうま)36歳
2002年平成14年壬午(みずのえうま)24歳
2014年平成26年甲午(きのえうま)12歳
2026年令和8年丙午(ひのえうま)0歳(今年生まれ)
うま年生まれの性格(伝統的な見方)

活発・行動力がある・社交的・自由を好む・直感が鋭い、とされています。馬が野原を駆け回るイメージそのままに、エネルギッシュで前向きな性格の持ち主が多いと言われています。もちろん、これはあくまで伝統的な見方のひとつです。


丙午の迷信と1966年の出生数

「丙午(ひのえうま)生まれの女性は気性が激しく、夫を短命にする」という迷信を聞いたことがある方も多いでしょう。この迷信、実は江戸時代に日本独自に生まれたものです。

迷信の起源:八百屋お七と丙午

江戸時代の実話をもとにした「八百屋お七」の話が有名です。恋人に会いたいがために放火した少女・お七が1666年(丙午の年)生まれという俗説と結びつき、「丙午生まれの女性は情熱的すぎて危険」というイメージが広まりました。陰陽五行説で「火が二重になる年」という解釈も重なり、迷信として定着していきました。

1966年(昭和41年)の出生数激減

この迷信が現代にも影響を与えたのが1966年の丙午です。「丙午生まれの娘は嫁に行けない」という迷信を恐れた親たちが出産を避けた結果、驚くべき統計が残っています。

1964〜1968年の出生数推移
干支出生数(万人)前年比
1964年甲辰約177万人
1965年乙巳約182万人+5万人
1966年丙午約136万人−46万人(−25%)
1967年丁未約193万人+57万人
1968年戊申約187万人−6万人

出典:厚生労働省 人口動態統計

1966年の出生数は前年比で約46万人(約25%)も減少しました。翌1967年には反動で57万人増加しています。迷信が実際の人口動態に影響を与えた、世界的にも珍しい事例として統計学・社会学の分野でも注目されています。

2026年の丙午は?

2026年も同じ丙午ですが、現代ではこの迷信の影響はほぼありません。少子化が続く日本において、出生数への影響は1966年のような大きな変動は起きないと予測されています。むしろ「60年ぶりの丙午生まれ」として、特別な年として記念される可能性があります。

日本の伝統的な暦文化についてより深く知りたい方には、nippon.comの「The Japanese Calendar」も参考になります。 (nippon.com: The Japanese Calendar)


干支が生んだ日本語

干支は単なる年の数え方ではありません。私たちが毎日使っている言葉の中に、干支の痕跡がたくさん残っています。知ると「なるほど!」となる言葉を集めました。

現代語干支との関係由来
正午(しょうご) 午の刻(11〜13時)の中心 「午(うま)」の刻のちょうど真ん中が「正午」
午前・午後 午の刻の前後 午の刻(正午)より前が「午前」、後が「午後」
子午線(しごせん) 子(北)と午(南)を結ぶ線 子は北、午は南を指すことから経線を「子午線」と呼ぶ
還暦(かんれき) 干支が60年で一周して戻る 60年で干支が一巡し、生まれた年の干支に「還る」
丑三つ時(うしみつどき) 丑の刻(1〜3時)の三つ目 丑の刻を4分割した3番目=午前2時〜2時半頃
土用の丑の日 土用期間中の丑の日 夏の土用(7月下旬〜8月上旬)に当たる丑の日にうなぎを食べる習慣
鬼門(きもん) 丑(北北東)と寅(東北東)の間 「うしとら」の方角(北東)が鬼の出入り口とされた
申し訳ない 申(さる)の刻に由来する説 申の刻(15〜17時)に謝罪の場を設けた慣習から、という説がある

「正午」「午前」「午後」は毎日使う言葉ですが、まさか干支の「午(うま)」から来ているとは思わなかった方も多いのではないでしょうか。干支は古代中国から伝わった時刻・方位の体系が、そのまま日本語に溶け込んだものなんです。


還暦・干支と人生の節目

干支は60年で一周します。この60年サイクルが、日本の人生の節目の祝い事と深く結びついています。

干支にまつわる長寿のお祝い
名称年齢由来・意味
還暦(かんれき) 61歳 干支が60年で一巡し、生まれた年の干支に「還る」。赤いちゃんちゃんこを着る習慣は「赤ちゃんに戻る」という意味
古希(こき) 70歳 杜甫の詩「人生七十古来稀」から。70歳まで生きることは古来まれだという意味
喜寿(きじゅ) 77歳 「喜」の草書体が「七十七」に見えることから
傘寿(さんじゅ) 80歳 「傘」の略字が「八十」に見えることから
米寿(べいじゅ) 88歳 「米」の字を分解すると「八十八」になることから
卒寿(そつじゅ) 90歳 「卒」の略字「卆」が「九十」に見えることから
白寿(はくじゅ) 99歳 「百」から「一」を引くと「白」になることから

1966年(丙午)生まれの方は、2026年にちょうど還暦(60歳)を迎えます。60年前の丙午に生まれ、次の丙午の年に還暦を迎えるという、干支の巡りを実感できる特別な年になりますね。

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よくある質問

2026年の干支は丙午(ひのえうま)です。十二支は「午(うま)」、十干は「丙(ひのえ)」で、60年ぶりの火の馬年です。前回の丙午は1966年(昭和41年)でした。

十干(じっかん)は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10種類、十二支(じゅうにし)は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の12種類です。この組み合わせが60周期の干支(えと)を構成します。

うま年(午年)生まれは1930年、1942年、1954年、1966年、1978年、1990年、2002年、2014年、2026年です。12年ごとに繰り返します。

はい。「正午」は十二支の「午(うま)」に由来します。午の刻は11時〜13時を指し、その中心が「正午(しょうご)」です。「午前」「午後」「子午線」もすべて干支から生まれた言葉です。

江戸時代に「丙午生まれの女性は気性が激しく夫を短命にする」という迷信が広まりました。1966年(昭和41年)の丙午では出生数が前年比約46万人減少しました。2026年も丙午ですが、現代ではこの迷信の影響はほぼありません。

田中 さくら

田中 さくら

暦・日本文化ライター

和暦・干支・年中行事など日本の暦文化を専門とするライター。雑誌・Webメディアへの寄稿歴10年以上。「難しいことをわかりやすく、楽しく」をモットーに、伝統文化の魅力を発信しています。

参考文献・出典